「がんの見落とし」相談ガイド

「がん見落とし」の問題には
 専門家による十分な精査が不可欠

健康診断やがん検診において
がんの見落としは発生しています。

発見が難しいケースの場合も多い反面、
病院側に問題があるケースも少なからずあります。

いま、ご自身やご家族のがんに見落としがあったのではないかと
疑いをお持ちの方は、まずは医療問題に精通した弁護士に
相談
することをお勧めします。

このサイトは弁護士法人ALG&Associatesをスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
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このメディアについて
金﨑浩之弁護士 医学博士
金﨑浩之弁護士
医学博士

このメディアは、弁護士法人ALG&Associates 代表で医学博士の学位を持つ金﨑浩之弁護士監修のもと、Zenken株式会社が制作・運営しています。
※弁護士法人ALG&Associates…医療過誤に特化したチームを擁し、がん見落とし事件でも多くの解決実績があります。

ご自身やご家族のがんに見落としがあったのではないかと疑いをお持ちの方に、どんながんの検査で、どのような見落としや誤診があったのか、訴訟の判例を交えながら、わかりやすく解説しています。

訴訟において
病院側の過失が認められた「がん見落とし」は半数にのぼる

平成元年1月から令和元年6月末までに、人間ドック、健康診断が関係した医療裁判事例を判例データベースから検索すると、24件が該当します(※データベースにはすべての事例が掲載されるわけではありません)。
そのうち、がんの見落としに関係した事例は16例あり、半数の8例で原告(患者側)の訴えが認められています。

▼左右にスクロールをして表をご覧ください

訴訟において病院側の過失が認められた「がん見落とし」は半数にのぼる

参照元:J-STAGE【PDF】
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ningendock/35/5/35_685/_pdf
2019年第2回人間ドック健診専門医研修会 発表資料
「裁判事例に学ぶ人間ドック・健診(検診)の医療安全」資料をもとに作成

判例・事例を見る前に…
がん見落としの裁判には、さまざまな争点・ポイントがある

集団健診の大量の読影(検査画像を読み取ること)と、個別に受けたがん検査の読影では、その「医療水準」が異なることは、想像に難くないでしょう。このことは、実際の裁判でも示されています。
しかし、集団健診なら見落としがあっても過失にならないというわけではありません。
どのような陰影がどこに存在していたのか、進行の早いタイプのがんだったのか、その時点で見落としがなければ生存率が向上していたのかなど、さまざまな条件が考慮されることとなります。
このような視点も踏まえて、司法の場で、どういったポイントによって判断がなされたのか、似たケースや同じがんの事例を確認してみてください。

あなたやご家族に近い
「がんの見落とし」の裁判事例を探すことができます

気になる項目をチェックすると(複数選択が可能)該当する裁判事例が読めます。すべて見たい場合は、チェックせずにそのままスクロールすると全事例を読むことができます。
※「健診」「検診」の表記について…判例にある表現をそのまま記載しています。意図的に書き分けているわけではありません。

見落としが
あったと
思われる検査
発症したがん

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該当する事例が件あります

【肺がん】人間ドックでの見落とし・訴訟上の和解

  • 人間ドック
  • 肺がん

概要

毎年受けていた人間ドックの胸部X線検査で異常陰影があるのを見落とし、2年後に余命6ヶ月・ステージⅣの肺がんと診断され死亡。

争点

遅くとも2年前の検査で(当時の推定臨床病期はステージⅠ)、異常陰影を指摘するべき注意義務を履行していればステージⅣにまで進行することはなかったと債務不履行責任および不法行為責任(使用者責任)を追及。

結果

「第三者に対する証拠保全の申立て」を行うなど、さまざまな策を講じた結果、初回相談から約2年で4,630万円の訴訟上の和解が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei12/

【肺がん】健康診断での見落とし・
民事調停成立

  • 集団健診
  • 肺がん

概要

勤務先の健康診断の胸部X線検査で見落とされ、1年2カ月後、ステージⅣの肺がんで手術はできないと診断。診断の3ヶ月後に死亡。

争点

陰影の特徴から見落としがあった時点での病期(ステージ)を前提に、もし見落としがなければ患者さんが実際に亡くなった時点で亡くなっていなかったと立証、協力医からも因果関係を肯定する見解が得られた。

結果

調停の申し立てから1年という早期解決で、相手方有責を前提とした2,300万円の民事調停が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei04/

【肺がん】経過観察による
治療の遅れ・訴訟上の和解

  • 集団健診
  • 精密検査
  • 経過観察
  • 肺がん

概要

CT検査(精密検査)で最大径4㎝の腫瘤陰影が発見されたにもかかわらず経過観察に。その6ヶ月後に容態悪化、低分化の肺腺がんと診断され骨転移もあり、その後死亡。

争点

ダブリングタイムを考慮すると骨転移が起きた時期の推定は困難。最高裁判例に基づき、適切な検査を実施しなかったことによる情報の不足を理由に患者側に不利益な判断をすべきでないと主張。

結果

経過観察にしたことが医療水準の逸脱であるとして提訴、カンファレンス鑑定を経て2,000万円で訴訟上の和解が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei06/

【胃がん】国立病院の内視鏡検査での
見落とし・訴訟上の和解

  • 個人検診
  • 精密検査
  • 胃がん

概要

胃X線撮影で異常が見つかり、国立病院で内視鏡検査(精密検査)を実施するも見落とされ、約2年半後胃がん(ステージIV)、腹膜播種・卵巣転移を生じ、数ヶ月後に死亡。

争点

スキルスに発展する胃がんの初期に陥凹所見が多く、検診等で早期発見される胃がんの80%程度にこの陥凹所見が認められる。2年半前の見落としの時点では初期だった可能性が高い

結果

医学的な知見を丁寧に説明。提訴から約3年を経て、被告病院有責を前提とした3,000万円の訴訟上の和解が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei05/

【胃がん】生検の再検査を
7年放置・訴訟上の和解

  • 精密検査
  • 放置
  • 胃がん

概要

内視鏡検査の際に採取された検体について、病理医から消炎後の再検査を求められたにもかかわらず、約7年にわたって再検査をせず。約7年後に胃がんステージⅣと診断され、後死亡。

争点

再検査を行うべき注意義務が果たされていれば、胃がんの診断も遅れずに適切な治療を受けられ亡くなることもなかったことに加えて、初回検査での病変と死因となった病変の同一性の因果関係がある。

結果

提訴してから約1年11ヶ月、4,000万円で訴訟上の和解が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei13/

【乳がん】集団検診(マンモ)での
見落とし・訴訟上の和解

  • 集団健診
  • 乳がん

概要

集団検診のオプション(マンモグラフィー)で見落としがあり、1年後に乳がん(ステージⅣ)リンパ節・脳転移が発覚。10ヶ月後に死亡。

争点

集団検診での異常発見は困難で多くの棄却判例があるが、マンモグラフィーはオプションで受診者は限られ、認定を受けた医師が担当。予後が良好なタイプの乳がんで、1年前の集団検診時には、リンパ節転移・脳転移も生じていなかった可能性があること。

結果

一切減額されず、2,000万円で訴訟上の和解が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei08/

【眼窩の腫瘤(腺様嚢胞がん)】
MRI検査での見落とし・調停成立

  • 症状ありの検査
  • そのほかのがん

概要

MRI画像の正常ではない所見の見落としで腺様嚢胞がんの手術時期が遅れ、残存した腫瘍への陽子線治療の副作用で右目を失明した。

争点

陽子線治療と失明の因果関係の立証が困難だったが、調停委員の眼科医師は、手術が2年遅れたことで陽子線治療が必要となり、失明はその治療の副作用であるとの見解を示した。

結果

眼科医師の見解も加味した主張を展開、660万円での調停成立

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei10/

【悪性リンパ腫】胆石除去手術前の
X線検査での見落とし・訴訟上の和解

  • 症状ありの検査
  • そのほかのがん

概要

胆石除去手術前の腹部X線検査の約1年後に直径約14cmの悪性リンパ腫が確認された。除去手術が行われたが予後不良で、その3ヶ月後に死亡。

争点

検査目的が悪性腫瘍を疑ったスクリーニングではなかったとしても、撮影当時に最大径が約10cmにも及ぶ巨大な陰影を拾い上げることは困難ではないと主張。

結果

見落とされた異常所見(腫瘤)の大きさが決め手となり、3,000万円で訴訟上の和解が成立。

参照元:(本サイト監修)弁護士法人ALG&Associates公式サイト
https://www.avance-lg.com/customer_contents/iryou/jirei/gan/gan_jirei02/

【肺がん】放射線読影医の指摘放置・
損害賠償

  • 集団健診
  • 精密検査
  • 放置
  • 肺がん

概要

胸部CT画像にでは異常な影が認められ、肺がんの確定診断を行なうべき大きさなのに気管支鏡検査は実施されず。1年1ヶ月後、治療の遅れで肺がんが進行(ステージⅢ)。5年生存率が低下した。

争点

検査を実施しなかったことによる発見の遅れが病期の進行につながった。ステージⅡの段階で手術を受けていれば5年生存率は70.4%だったのが、ステージⅢで49.7%に低下

結果

病院に結果予見義務及び結果回避義務あり。慰謝料を含む200万円の損害賠償が命じられた。

参照元:民間医局サイト「医療過誤判例集」
https://www.doctor-agent.com/service/medical-malpractice-Law-reports/2023/vol239

【肺がん】集団健診や個別検診での
見落とし・損害賠償

  • 集団健診
  • 個人検診
  • 肺がん

概要

個別の有料健康診断で肺がんを見落とし、他院での胸部CT(精密検査)によって11ケ月後に肺がんと診断(ステージⅡB)。5年生存率が低下。

争点

最初の健康診断時点の病期は臨床的にステージⅠ。5年生存率は約30%低下したが、見落としがなくても5年生存率は72%で、相応の不安や恐怖を感じながら生活を送る意味で見落としとの間に因果関係はなく経済的損失は認められない。

結果

精神的損害に対する400万円の慰謝料が認められた。

参照元:民間医局サイト「医療過誤判例集」
https://www.doctor-agent.com/service/medical-malpractice-Law-reports/2007/Vol048

【胃がん】かかりつけ医での
検診結果通知の遅れ・損害賠償

  • 個人検診
  • 放置
  • 胃がん

概要

かかりつけ医での個別の胃がん検診で病変があったが、担当医は患者さんに知らせず。約2ヶ月後に胃がんと診断。手術を受けるも肝臓に転移し、その後死亡。

争点

担当医が検診の二次読影の結果を知ってから患者さんに伝えるまでに1ヶ月が経過しており、裁判所は通知の遅れが注意義務違反に相当すると認定。

結果

速やかに通知していても死亡は避けられなかった可能性が高いとし、200万円の損害賠償を命令。

参照元:民間医局サイト「医療過誤判例集」
https://www.doctor-agent.com/service/medical-malpractice-Law-reports/2019/Vol200

【大腸がん】大学病院のX線検査での
見落とし・慰謝料

  • 精密検査
  • 大腸がん

概要

大学病院で大腸X線検査と血中腫瘍マーカー、肝機能血液検査を受け、異常なしと診断。翌年、大腸から肝臓への転移が発見され、1ヶ月後に死亡。

争点

進行の早い低分化腺がんであり、大学病院の精密検査後に発症した可能性があるが、大学病院の医療水準は高く期待も高い。他の医療機関より高度な注意義務が存在する。

結果

再検査しなかったことが診療契約上の義務違反に相当する不適切な診療行為で死亡との因果関係はあるが、逸失利益は認められず慰謝料のみ

参照元:民間医局サイト「医療過誤判例集」
https://www.doctor-agent.com/service/medical-malpractice-Law-reports/2005/Vol033

【乳がん】乳腺エコー・
マンモグラフィーでの見落とし

  • 症状ありの検査
  • 放置
  • 乳がん

概要

超音波検査で1cm大の腫瘤があり、2ヶ月後に腫瘤が増大していたにも関わらず再診を指示せず。2年後に乳がんと診断され右乳房切除腋下郭清術を受けたが、左側にも乳がんが発見され手術を受けることに。

争点

2ヶ月弱で腫瘤が増大・形状変化していたことから精密検査を行なうべき注意義務違反が認められた。乳がんは命を救うだけでなく、整容性に配慮することも医療機関には要求される

結果

乳房温存手術の機会損失への慰謝料、休業補償を含め約1,300万円の損害賠償が認められた。

参照元:【PDF】日本乳癌健診学会資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjabcs/22/1/22_90/_pdf

【大腸がん】2つの科における
見落とし

  • 症状ありの検査
  • 経過観察
  • 大腸がん

概要

内科の患者さんが、軟便や肛門の腫れ・出血等の症状で外科を受診したが、大腸がんの検査はせず。2ヶ月後、大腸がんと転移性の肝がんが見つかり、その1ヶ月後に死亡。

争点

内科に外科担当医に診療内容を告知して転科の措置を取ることまでは求められない。外科での問診の結果が大腸がんの典型的な症状を示している。内痔核の症状が落ち着いてから検査を実施するのは遅いとして、病院側の過失を認める。

結果

直ちに検査していたとしても延命の蓋然性は認められず、可能性の侵害に対する慰謝料に留まる。

参照元:民間医局サイト「医療過誤判例集」
https://www.doctor-agent.com/service/medical-malpractice-Law-reports/2021/Vol214

【子宮頸がん】妊婦の子宮頸がんを
見落とし

  • 症状ありの検査
  • 放置
  • 子宮頸がん

概要

妊娠中に複数回の不正性器出血を訴えたが、子宮頸部細胞診は実施されず。産後1ヶ月健診で異常なし、産後6ヶ月に症状を訴えるも検査は実施されず。その1週間後、子宮頸がんのステージⅢBと診断、1年後に死亡。

争点

初診時に子宮頸がんは発症していたのか、進行していたのか、一般の産科医が発見できるものか、妊娠中の細胞診は妥当か、仮にがんを発見し治療できても救命可能だったか、治療歴等を告知していない患者側の過失を相殺すべきか。

結果

患者側の情報提供義務違反・診療協力義務違反による過失相殺4割の約3,900万円の支払い命令

参照元:日本産婦人科医会公式サイト「 No108 裁判事例から学ぶ 」
https://www.jaog.or.jp/note/妊婦の子宮頸がんを見落とした結果,出産後約1/

【胃がん】人間ドックでの見落とし・
請求棄却となった事例

  • 人間ドック
  • 胃がん

概要

毎年定期的に日帰り人間ドックを受診。3年目に受けた精密検査で胃がんと診断。その後死亡。医療機関が1年目ないし2年目の受診時に精密検査を実施もしくは勧奨しなかった過失があると考え、損害賠償請求を提起。

争点

胃がんの有無を精査すべき異常所見がみられる場合はそれを実施または勧奨すべき注意義務があるが、それは当時の医療水準や医療機関の特性などの事情を考慮して判断されるべき。

結果

患者側が指摘する異常所見は人間ドックに求められる医療水準では指摘が容易ではないこと等から請求棄却

参照元:民間医局サイト「医療過誤判例集」
https://www.doctor-agent.com/service/medical-malpractice-Law-reports/2022/vol225

がんの見落とし裁判では、
どんなポイントが
重視されるのか

裁判事例の概要だけを見てもわかるように、さまざまな要素をもとに「過失か否か」や「賠償額」が判断されています。ここで、「争点」となるポイントをいったん整理しておきましょう。

見落としたことが医師の過失といえるのか

健康診断やがん検診で早期にがんが発見されていれば治療を受けられたはずなのに見落とされ、手遅れの状態でがんが見つかった場合、この見落としが医師の過失といえるかどうかは、見落とさなかった場合に救命できたのか等の観点から、法的な責任があるかを検討します。そもそも早期発見が困難ながんや、進行が早いがんがあることや、その検査や医師に求められる医療水準などによって、注意すべきハードルの高さが変わります。

見落としていなかったとすれば救命できたのか

賠償額を考える際、仮に医師ががんを見落とさずに適切なタイミングで適切な治療を開始した場合、生存率がどこまで改善したかがポイントになります。
たとえば、同じ種類のがんと診断された患者さんと同年代、同性、同ステージのケースで手術を受けた場合の5年生存率はこのくらい、発見が早くステージIの場合はこのくらい…といったデータから検討します。また、生存している(回復した)場合には、「見落としがなければ、ここまでの大手術を受けなくて済んだ」といった観点から検討する場合もあります。

見落とした検査に対して求められる医師の注意義務

症状のない状態で受ける健康診断なのか、がんの疑いを持ってする精密検査なのかによって、医師に求められる注意義務のハードルは異なります。
たとえば胸部X線検査の場合、がんの大きさや他の臓器との重なり具合で発見が難しいと言われています。読影の担当医ががんの読影を専門とする医師ではなく一般内科医であった場合、小さな病変に気がつくのは難しいでしょう。さらに、集団健診などでは、大量の読影を短時間で行うため、見落としがされやすいという実情が考慮されます。

医療裁判では、がんの特徴やさまざまな条件が争点となります。
まずは医療問題に精通した弁護士に
相談することをお勧めします。

医学博士学位を持ち、医療過誤チームのある弁護士事務所・弁護士をこちらで紹介しています

医療裁判に精通した弁護士の探し方

「がんの見落とし」などの医療過誤事件では、弁護士に対する協力医制度があります。しかし、医療裁判は協力医がいるというだけでは太刀打ちできるほど甘くはないため、弁護士選びはとても重要です。
「がんの見落とし」を疑って訴訟を考えたとき、どんな弁護士に相談すればよいのでしょうか。

「がんの見落とし」に対する専門性が高い

「がんの見落とし」に対する専門性が高い

「がんの見落とし」に関する医療裁判は難しいケースが多いと言われています。生半可な知識では太刀打ちできません。

検査やがんに対する医学的知識はあるのか、論文などの医学文献は読めるのか、自分たちより詳しいかなど、初回の相談時に確認しましょう。

「医療裁判」の実績が豊富である

医療裁判の実績が豊富である

がんの見落としに関する知識は豊富でも、実際に医療裁判の経験はあるのかは重要なポイントです。
それはどのような事件で、その弁護士はどのように対応して、どんな結果になったのか。医療裁判の経験量はもちろん、その難易度や取り組み方、結果を公式サイトの事例で確認しましょう。

「法律の専門家」としての経験値が高い

「法律の専門家」としての経験値が高い

医学的な専門知識が豊富であっても、医療裁判に勝てるわけではありません。医療裁判ではさまざまな「訴訟戦術」が必要になります。

この戦術は弁護士として「実践」を積んでいなければ身につきません。「法律の専門家」としての経験も確認しましょう。

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見落としの多いがんのリスク要因見落とし事例

見落としの多いがんはあるのか

国が推奨している5 つのがん検診(肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がん)は検査数が多い分、見落としも存在します。その中でも集団健診などで行われる胸部X線(レントゲン)検査における「肺がん」の見落としは、受検者の母数が圧倒的に多いこともあり、見落としも多くなっています。

見落とす可能性は?がんを発見・診断するための検査

「がん検診や精密検査でがんを見落とすなんてあり得ない」――そう考えるのは当然かもしれません。
しかし、がんの検査にはそれぞれメリット・デメリットがあり、見落としの可能性はゼロではないのです。

がん見落とし・医療裁判の疑問 Q&A集

がんの見落としによって起こされる医療裁判は数多くありますが、その内容は一般の方々がわかりにくいことも少なくありません。ここではQ&A形式でその疑問を解決していきます。

Q

なぜ見落としが起こるのか

A

集団検診の在り方、医療現場の縦割り構造も一因

がんの見落としにはさまざまな要因があります。そもそも自治体などが行っているがん検診や人間ドックは健康な人(症状がない人)を対象としており、がんを前提としているものではないことがあります。
また、大量の画像を医師が短時間で見なければならないという条件もあります。さらに、医療現場の縦割り構造、診療科ごとに専門化・細分化が進んでいることで連携などへの弊害が関係しているという見方もあります。

なぜ見落としが起こるのか
Q

見落とされやすい検査・ケースはあるのか

A

症状のない状態で受ける健康診断、集団健診が多い傾向にある

検査の種類や受診の状況によって、がんを見落としやすいケースはあります。特に見落としが多いのは、集団で行われる健康診断での胸部X線検査における肺がんです。
その背景には、集団検診という大量の読影、がんの疑いがある前提で「がん」を探しているわけではない状況、読影をする医師の専門性、そもそもX線写真では見つけにくいがんであることなど、さまざまな要因が関係しています。

見落とされやすい検査・ケースはあるのか
Q

訴訟を起こしにくいケースとは

A

さまざまな要素や状況から、医師の過失を立証できない場合

裁判では、訴える側が相手方の過失を立証する責任があります。がんの見落としや、それによって受けた被害との因果関係を証明して認めさせることができるのか。それが難しい場合、裁判で勝つことは見込めません。
たとえば、さまざまな要素や状況から見落としは過失とは言えない場合、もし見落とさなかったとしても生存率は変わらなかった場合などがあります。

訴訟を起こしにくいケースとは
Q

医師の過失や損害賠償請求が認められるポイントとは

A

必要な検査や治療を行うべき義務を果たしたか、検査や医師に求められる医療水準など

医師の過失を立証して被害との因果関係を説明できなければ、たとえ裁判を起こしても損害賠償請求が認められることはありません。医師ががんを疑って必要な検査を行なうという義務を怠ったかどうか、その検査や医師に求められる医療水準、見落としによってどんな被害を受けたか・損失があったか、見落としがなければどのくらい生存率が高かったか、などさまざまな要素を照らし合わせます。

医師の過失や損害賠償請求が認められるポイント
Q

生存していても裁判を起こせるのか

A

生存中に訴訟を起こして和解・勝訴した事例もある

医療裁判の事例には、がんの見落としによって患者さんが亡くなってしまったという深刻なケースが多くありますが、患者さんが生存中に裁判を起こせないわけではありません。実際に訴訟が起こされ、慰謝料の支払いや和解に至った事例も数多く存在します。この場合、見落としによって受けた精神的・肉体的苦痛や5年生存率の低下などが争点になります。

生存していても裁判を起こせるのか

がんの見落としに関わる
医療裁判の基礎知識

「がんの見落とし」を疑ったときにやるべきこと、裁判を起こしたいと思ったときに必要なこととは?
弁護士の探し方をはじめ、訴訟の条件、裁判の流れや勝率、弁護士費用や裁判以外の方法など、役に立つ情報をまとめています。

弁護士/医学博士・金﨑氏について

肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど
見落としによる医療裁判の実績が豊富

弁護士法人ALG&associatesの代表執行役員、東京弁護士会所属。医学博士の学位を保有しており、代表職の傍ら医療過誤チームを牽引。さらに大学院の医学研究科に在籍し医学の研究を行っています。肺がん、胃がん(スキルス含む)、大腸がん、乳がん等の診断ミスに関する実績を有し、医療訴訟に関する書籍や論文も発表しています。