CT検査
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CT検査の目的と検査方法
CTとは「Computed Tomography(コンピューター断層撮影法)」の略語で、身体の断面を画像にして細かい病変を調査できる精密検査です。がんが疑われる場合は、がんの有無や広がり、他の臓器への転移の有無を調べるほか、治療効果の判定や治療後の再発の検査など、さまざまな目的で実施されます。
CT検査は身体の外部からX線を照射し、体内各部の吸収率の差をコンピューターで処理して身体の断面を複数枚の画像として加工します。複数の断面の厚みは、撮影部位や検査の目的によって設定されます。病変を正確に描出するため造影剤を使用する場合もあります。
検査のメリット・デメリット(長所と弱点)
CT検査は画像描出能力が高く、通常のレントゲン検査よりも格段に正確な診断が可能です。同じように身体の断面図を描出するMRI検査と違って、体内に金属が入っている患者さんでも問題なく検査を受けられ、検査時間も短くなっています。
一方、CT検査はX線を使用する以上は放射線の被ばくを避けることはできず、通常のレントゲン検査より被ばく量も多くなるため、原則として妊婦さんには検査できません。
CT検査でわかるがん
CT検査は悪性リンパ腫も含め、ほぼすべてのがんに対して行われます。
見落とす可能性(どんな場合に見落としやすいのか)
前述のとおり、CT検査は体内の様子を精密に描出できるため、撮影範囲から外れていない限りはがんを見落とす可能性は低いと思われます。ただ、検査目的ががんではなかった場合に偶然がんが写り込んでいたとしたら、主治医はそもそもの検査目的の部位に注目しているので、見落としが起こらないとは限りません。
見落としの事例
CT検査におけるがんの見落としには、以下のような事例があります。
- 肺がん検診の再検査でCT検査を受けた患者さんに腫瘤が見つかったが、気管支鏡を行わないまま経過観察が繰り返され、肺がんの進行によって亡くなった
- 健康診断で肺機能の低下を指摘された患者さんが呼吸器内科を受診したが、胸部CT検査の結果に対する放射線医の指摘を主治医が放置、肺がんの発見が遅れた
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【このページの参考文献】
・(書籍)『国立がん研究センターの正しいがん検診』中山 富雄 監修(小学館)
・国立研究開発法人国立がん研究センター「がん情報サービス」(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/inspection/ct.html)
がん見落としへの高い専門性と医療裁判の豊富な実績を持つ弁護士
弁護士法人ALG&Associatesの代表執行役員、東京弁護士会所属。医学博士の学位を保有しており、代表職の傍ら、医療過誤チームを牽引。さらに大学院の医学研究科に在籍し医学の研究を行っています。肺がん、胃がん(スキルス含む)、大腸がん、乳がん等の診断ミスに関する実績を有し、医療訴訟に関する書籍や論文も発表しています。